ルアーフィッシング

Fishing

はじめての釣りは自分が幼稚園に入る前だったので、3歳か4歳くらい?の時だったように思う。

思い起こせば当時、仕事を辞めて時間があったからだと思うのだが、近所の防波堤に父親が連れて行ってくれたのを覚えている。

この父親は、その後蒸発してしまったりと、中々にアレな感じだったりするのだが、それはまた別のお話である。

おぼろげな記憶を辿ると、この時父親はダンゴを使ったチヌ(クロダイ)釣りで、自分はのべ竿にウキを使った五目釣り(適当にそれっぽいことをやらせておこうという意図であったと思う)で、自分はなにも釣ることが出来なかったものの、父親は見事に2匹のチヌを釣り上げたのだ。

強烈なイメージ

当時の我が家は海と隣接していて、小さなカニなどの海の生き物と毎日のように触れ合える環境だったのだが、魚という生き物はまだまだ幼かった自分には網ですくうのすら難しく、日々眺めるだけのものであり、高嶺の花であった。

そんな魚を、しかもいつも眺めているような小魚ではなく、大きなチヌを父親は捕獲したのだ。

鮮烈で強烈な思い出。
あんな大きなお魚を捕まえる手段があるんだ!ということに、とても興奮したのを覚えている。

当然ともいえる流れで、その後はこの魚を捕まえる”釣り”という行為にどっぷりとハマっていくわけだが、プロの釣り人として、アメリカにまで行くようになろうとは父親も想像していなかったはずである。

出合いは小学生のころ

海は常に自分の遊び場であったし、遊びのひとつとして釣りもよくやっていたのだが、小学生だった自分にとっての最大の障壁は、エサの確保であった。

当時でも所謂虫エサやエビ等々、当然お店に行けば売っていたのだが、買うお金などあるわけもなく、日々の小遣いを貯めて、やっと時々買えるといった感じである。

自分でゴカイやマムシ(本虫)等の虫エサを掘りに行っても小学生ごときのマンパワーでは大して取れるものでもなく、捕獲しやすいカニや貝などあらゆるものも試したりもしたが、虫エサに勝てるものでもなかった。

そんな中、釣りの本だったのか釣りキチ三平のような漫画からだったのか記憶が定かではないが、世の中にはルアー(いわゆる疑似餌のひとつ)という、生エサじゃないのに魚を釣ることが出来るエサのようなものがあるということを知ったのである。

そのエサは金属やプラスチック等でできており、根掛かり等で無くさない限りは何回でも魚を釣ることが出来るという。
まさに当時の自分にとってはとんでもない革命であった。

「これがあったらいつでも好きな時に釣り出来るじゃん!」

とてもとても強くそう思ったのを今でも思い出すのだが、起こったと思った革命はそんなに都合のいいものでもなかったので、思い出すたびに苦笑してしまうのである。

とにかく釣れない

記憶が定かではないのだが、最初に購入したルアーはスプーンだったと思う。
おそらくどこかのコピー品で、値段も大して高いものではなかったはずである。

キャストアンドリトリーブ。投げて巻くということは知識として知っていたので、ひたすらキャストを繰り返すのだが、とにかくなにも釣れない。

来る日も来る日も一向に釣れないのである。

ただ、ルアーの後ろをチェイス(追いかけて)してくる魚は沢山いた。

アブラメ(アイナメ)系の魚のチェイスはそこそこの確率であり、使っていたルアーに付いていたトリプルフックは、エサ釣りで使っていた釣り針よりも圧倒的に大きかったので、こんなでかい釣り針に食いつくわけないだろうと、エサ釣り用の釣り針を移植してみたり、子供ながらに色々やったとは思う。

しかし、それでも釣れなかったのだ。

今ならそのチェイスしてくる魚のうちの何割かは食わせる自信があるが、当時の自分では全くもって歯が立たなかった。

最初の1匹

革命だと思っていたルアーを使った釣りは、エサ釣りの合間に飽きたらやる、程度の釣れない釣りにまで、自分の中では権威が落ちてしまっていた。

やる機会が少なくなってしまったのもあってか、ルアーを最初にキャストした時から、1年後だったのか2年後だったのか、最初の1匹を手にするまでにとてつもなく長い時間がかかったのである。

小さなアブラメ(アイナメ)もしかしたらイタチ(クジメ)だったのだが、妙に冷静だったことを覚えている。

うわぁーー!!!!釣れた!初めてルアーで釣れた!などと大喜びな気持ちは微塵もなく、ほら、やっぱり釣れたでしょ?釣れるんだよ。うん知ってた。こんな感じの気持ち。

釣れない期間が長かったので、やっと釣れたという喜びよりも、間違ってなかったというような、安堵の気持ちが強かったのかもしれない。
嬉しくなかったわけはないと思うのだが、これがルアーで釣った最初の魚の記憶である。

覚えていますか?

改めて思い起こすと30年とか40年も前の話だ。
数字を見ると、年を取った自分に少々戦慄したりもするのだが、残念ながらまごうことなき事実である。

初めて行った釣りの事は、最も古い釣りの記憶であり、なおかつ魚を釣っていないにもかかわらず、しっかり覚えている。
半面、その後にすぐ訪れた、はじめて魚を釣った時の記憶はあやふやで、ほとんど覚えていない。
それだけ、この釣りという行為自体の印象が強烈だったのだろうと思う。

自分の子供時代は田舎だったこともあってか、疑似餌を使った釣りなどというものは全く一般的ではなかったのだが、今ではルアーネイティブな方も多いはずだ。

みなさんは覚えているだろうか?自分の初めての釣り、魚、ルアーフィッシングを。

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